「ピラティスインストラクターを目指したい」と考えたとき、悩みの種になりやすいのが資格選びです。いざ資格を取得しようとすると、さまざまな団体や資格があり、どれを選べばいいのか迷う人も少なくありません。
ピラティスの資格は、取得にかかる費用や期間、学習内容、難易度などが資格によって異なります。単純に有名な資格だからという理由で選ぶのではなく、自分の目的やライフスタイルに合った資格を選ぶことが大切です。
この記事では、代表的なピラティス資格を比較し、それぞれの特徴や費用、取得期間、学習内容を詳しく紹介します。未経験から取得したい、働きながら学びたい、将来インストラクターとして働きたいなど、目的に合わせた選び方も解説します。
本記事を参考に、自分に合った資格を選定していきましょう。
ピラティスの種類と資格の特徴
ピラティスの資格は、大きく分けて次の3種類があります。
- マットピラティス
- マシンピラティス
- コンプリヘンシブ
それぞれ学ぶ内容や使用する器具、取得にかかる費用・時間が異なります。まずは3種類の違いを、次の表で比較してみましょう。
| 種類 | 主な内容 | 使用する器具 | 学習範囲 | 向いている人 |
| マットピラティス | マット上で行うエクササイズの指導 | マット・小物など | 基本的なエクササイズ、身体の使い方、指導法 | 初めて資格を取得する人 |
| マシンピラティス | リフォーマー等を使ったエクササイズの指導 | リフォーマーなど | マシンの使い方、エクササイズ、指導法 | マシン指導をしたい人 |
| コンプリヘンシブ | マットと複数のマシンを総合的に学ぶ | リフォーマー、キャデラック、チェア、バレルなど | 幅広いエクササイズ、身体評価、解剖学、指導法 | 幅広い指導スキルを身につけたい人 |
ここからは、マット・マシン・コンプリヘンシブの3種類について、学ぶ内容や向いている人をくわしく見ていきます。
マットピラティス資格
マットピラティスは、専用のマシンを使わず、マットの上で行うエクササイズを中心に学ぶ資格です。基本的な動作や身体の使い方、指導方法を学び、グループレッスンやパーソナル指導に活用できます。
マット資格は、基礎を体系的に学びたい人や、まずは費用を抑えて挑戦したい人に適しています。たとえばBalanced Bodyでは、ムーブメントプリンシプルとマット1〜3を学んだうえで認定試験を受けるカリキュラムです。
なお、マット資格を取得しても、マシンピラティスの指導資格まで得られるわけではありません。マシン指導を目指す場合は、別途リフォーマーなどのコースを受講する必要があります。
マシンピラティス資格
マシンピラティスは、リフォーマーなどの専用器具を使ったエクササイズと、その指導方法を学ぶ資格です。
代表的な器具には、リフォーマー、キャデラック、チェア、バレルなどがあります。器具で身体を支えたり、バネで負荷を調整したりできるため、マットとは異なるエクササイズや指導方法を学びます。BASIでも、リフォーマーやキャデラックなどを使ったマシングループのレッスンを提供しています。
ただし、マシン資格という名称がすべての団体で共通しているわけではありません。たとえばBalanced Bodyでは、リフォーマー認定資格という名称で、マット資格とは別に設定されています。
資格を選ぶときは名称だけで判断せず、どの器具を学び、どの範囲まで認定されるのかを確認しましょう。
コンプリヘンシブ
コンプリヘンシブは、マットだけ、あるいは1種類のマシンだけではなく、複数のピラティス器具を含めて総合的に学ぶコースです。
たとえばBASIのコンプリヘンシブでは、マットに加えてリフォーマー、キャデラック、ワンダチェア、バレルなど複数の器具を扱います。Polestarでも、マット、リフォーマー、トラピーズテーブル、チェア、ラダーバレル、スパインコレクターの6種類を扱います。
そのため、マットとマシンの両方を学び、幅広い指導を目指したい人におすすめです。ただし、コンプリヘンシブが必ず「マット資格とマシン資格を単純に足したもの」になるわけではありません。
団体によって学習範囲や認定条件が異なるため、各団体のカリキュラムを確認しましょう。
ピラティスの資格団体とは
ピラティスには複数の資格団体があり、団体ごとにカリキュラムや取得方法が異なります。ここでは資格の種類と資格団体の違いを整理したうえで、代表的な4団体を1つずつ紹介します。
4団体のピラティス資格を比較
下記は、代表的な4団体の費用の目安、受講時間、未経験者の取得、仕事との両立(働きながら取得できるか)、およびそれぞれの特徴を比較した表です。
| 資格団体 | 費用の目安(コース別) | 講座・実習時間の目安 | 未経験 | 仕事との 両立 |
特徴 |
| BASI Pilates | 約30万~110万円 | 講座 約30~72時間 実習 約100~500時間 |
〇 | 〇 | 総合的な指導を学べる |
| Balanced Body | 約20万~110万円 | 講座 約32~130時間 実習 約50~300時間 |
〇 | 〇 | 段階的に学べる |
| PHI Pilates | 約25万~100万円 | 講座 約28~90時間 実習 講義内~約100時間 |
〇 | 〇 | 姿勢分析・身体の動きを重視 |
| STOTT PILATES | 約25万~130万円 | 講座 約40~170時間 実習 約35~200時間 |
〇 | 〇 | 解剖学・身体の動きを重視 |
※費用・講座・実習時間は、本文で紹介する各団体のマット・マシン・総合コース等をもとにした目安です。コースや開催地、受講条件によって異なる場合があります。
※未経験「〇」は、未経験から受講できるコース・受講形態が確認できるものを示しています。コースによって前提条件が設定されている場合があるため、申込前に各団体の最新情報をご確認ください。
※仕事との両立は、夜間、週末、オンライン可、など個人のライフスタイルに合わせた受講形式を選択できるものに「〇」をつけました。
資格の種類と資格団体は別物
注意したいのが、資格の種類と資格団体は別物だという点です。
マット・マシン・コンプリヘンシブは、主にどのような内容を学ぶかという分類です。
一方、Balanced Body・STOTT PILATES・BASI Pilates・PHI Pilatesなどは、指導者養成や認定資格を提供する団体です。同じ資格でも、団体によってカリキュラム、受講時間、試験が異なります。
たとえばBalanced Bodyではマット・リフォーマー・コンプリヘンシブの各コースが用意されていますが、BASIでは、基礎を学ぶファンデーションコースと応用を学ぶグラデュエイトコースを合わせたプログラムをコンプリヘンシブとしています。
資格を比較するときは、何を学ぶ資格なのかと、どの団体の資格なのかの2つを分けて考えることが大切です。
それでは、代表的な4団体の特徴を1つずつ見ていきましょう。
BASI Pilates
| 資格の種類 | マット(Foundation) マシン(Graduate) 総合(Comprehensive) |
| 講座時間 | マット 約30時間 マシン 約30時間 総合 約72時間 |
| 実習時間 | マット 約100時間 マシン 約150時間 総合 約500時間 |
| 取得までの目安 | マット 3〜6ヶ月 マシン 4〜8ヶ月 総合 8ヶ月〜1.5年 |
| 未経験可否 | 可能(解剖学から基礎を学べる) |
| 仕事との両立 | 可能(週末コースや長期での課題履修) |
マットやマシンを総合的に学べる、国際的な指導者養成コースを展開する団体です。BASI認定インストラクターによる指導や養成スクールを国内でも展開しています。
理論と質を重視するため実習時間(自己練習・指導練習など)が多めに設定されていますが、プロとしての指導力を確実に身につけたい人に向いています。
Balanced Body
| 資格の種類 | Mat(1〜3) Reformer(1〜3) Comprehensive(総合) |
| 講座時間 | マット 約32時間 マシン 約48時間 総合 約130時間〜 |
| 実習時間 | マット 約50時間 マシン 約90時間 総合 約300時間〜 |
| 取得までの目安 | マット 2〜4ヶ月 マシン 3〜6ヶ月 総合 8ヶ月〜1.5年 |
| 未経験可否 | 可能(ムーブメントプリンシプル等で基礎から補強) |
| 仕事との両立 | 可能(単位制・有効期限なしでマイペースに受講) |
世界102カ国で展開されている世界規模のピラティス団体です。基礎から解剖学を学べる「ムーブメントプリンシプル」などコースが豊富で、資格取得に期限がありません。
大手スタジオのzen placeと連携した採用オーディションがあり、卒業後のキャリアサポートも強みです。単位制で有効期限がないぶん、マイペースに働きながら学びやすい点も魅力です。
PHI Pilates
| 資格の種類 | Mat I・II(基礎) Props(小道具) Reformer・Tower等 |
| 講座時間 | マット 約28時間 マシン 約16時間 総合 約90時間 |
| 実習時間 | マット 講義内でカバー マシン 約30時間〜 総合 約100時間〜 |
| 取得までの目安 | マット 1〜3ヶ月 マシン 2〜4ヶ月 総合 6ヶ月〜1年 |
| 未経験可否 | 可能(解剖学や姿勢分析の基礎から学べる) |
| 仕事との両立 | 可能(土日4日間などの短期集中+課題) |
1999年からピラティスやリハビリテーションの専門家を養成している歴史ある団体です。モジュール(分割)単位で学べる教育プログラムを日本で最初に導入しており、姿勢改善や身体の動かし方を深く学べます。
米国の国家資格認定(NPCP)にも対応しています。「Mat I・II(4日間)」というコンパクトな日程から始められ、解剖学や姿勢分析の基礎から学べるため、働きながら最初の資格を取るハードルが比較的低めです。
STOTT PILATES
| 資格の種類 | 初中級・高級(Mat, Reformer, Chair, Cadillac等) Full Certification(総合) |
| 講座時間 | マット 約40時間 マシン 約50時間 総合 約170時間〜 |
| 実習時間 | マット 約35時間 マシン 約40時間 総合 約200時間〜 |
| 取得までの目安 | マット 2〜4ヶ月 マシン 3〜5ヶ月 総合 1〜2年 |
| 未経験可否 | 可能(解剖学等の事前学習は推奨) |
| 仕事との両立 | 可能(週末集中コースなどを選択) |
日本で唯一、理学療法士が主宰する養成スクール「heso TOKYO」などで受講できる、世界基準のピラティスメソッドです。
解剖学やバイオメカニクスを重視し、医療・リハビリの知見を取り入れた論理的で再現性の高い指導力を身につけられます。
要求基準が高く、講義時間外での見学や指導練習といった実習時間をしっかり確保して臨む必要があります。
ピラティスインストラクターの資格の必要性
結論から言うと、資格がなくてもインストラクターとして働ける場合はあります。
ただし、資格の有無で就職や活動のしやすさは変わります。
まずは、資格の必要性と取得した際のメリットを整理しましょう。
資格がなくてもインストラクターとして働ける求人はある
ピラティスインストラクターの求人には、資格取得を応募条件とするものだけでなく、未経験者を対象とした求人や、入社後の研修・資格取得制度を用意した求人もあります。
そのため、資格を取得してから就職する方法だけでなく、未経験でスタジオに就職し、働きながら知識や指導スキルを身につける方法もあります。
ただし、応募条件は求人によって異なります。特定の資格やマシン指導の経験を求める求人もあるため、就職を目的に資格を取る場合は、希望する求人でどのような資格が求められているかを先に確認しましょう。
ピラティスインストラクターは国家資格ではない
ピラティスインストラクターになるために、法律上取得が義務づけられている国家資格はありません。現在提供されている資格は、各団体が認定する民間資格が中心です。
そのため、資格がなければ働けないわけではありません。ただし、資格の取得を通じて基礎知識や身体の動かし方、指導方法を体系的に学べるため、資格取得を目指す人が多いです。
資格を取得するメリット
資格取得には、主に次の3つのメリットがあります。
- 独学では難しい知識や指導方法を体系的に学べる
- 実技試験や指導実習で、実際に人へ指導する練習ができる
- 求人への応募やフリーランス活動で、学んだことの裏づけになる
資格講座では、エクササイズの動作だけでなく、解剖学や身体の評価、指導方法まで体系的に学べます。実技試験や指導実習が設けられている資格なら、実際に人へ指導する練習も積めます。
また、資格を持っていることは、求人への応募やフリーランスのプロフィールで、知識や指導スキルを学んだことを示す裏づけとして役立ちます。
ただし、資格を持っているだけで十分な指導力が身につくとは限りません。取得後も実践経験を積み、継続して学ぶことが大切です。
ピラティス資格の費用
ピラティス資格の費用は、資格団体によって設定価格が異なります。
ここでは、ピラティス資格の費用をマット・マシン・総合(コンプリヘンシブ)の種類別に見ていきます。受講料だけでなく、取得までにかかる総額の考え方もあわせて確認しましょう。
| 資格団体 | マット | マシン | 総合(コンプリヘンシブ) |
| BASI Pilates | 約30〜40万円 | 約45〜55万円 | 約80〜110万円 |
| STOTT PILATES | 約25〜35万円 | 約30〜45万円 | 約100〜130万円 |
| PHI Pilates | 約25〜30万円 | 約25〜35万円 | 約80〜100万円 |
| Balanced Body | 約20〜35万円 | 約35〜50万円 | 約80〜110万円 |
マット資格の相場は約20~40万円
マット資格の費用は、団体やコース内容によって異なります。たとえばBalanced Bodyでは、マット資格のセット料金が35万円(税込)です。
受講料だけでなく、試験料や教材費が別途必要になる場合もあるため、取得までの総額を確認しましょう。
マシン資格の相場は約25~55万円
マシン資格は、対象となるマシンや学習範囲によって費用が変わります。Balanced Bodyのリフォーマー資格は、セット料金が45万円(税込)です。
学ぶマシンの種類が増えるほど、受講するコースや費用も増える傾向があります。
総合資格は100万円近くかかるケースもある
マットと複数のマシンを総合的に学ぶコンプリヘンシブ資格は、マット資格や単一のマシン資格より高額になりやすい傾向があります。
Balanced Bodyのコンプリヘンシブ資格は、セット料金が96万円(税込)です。ただし、この金額にはマットに加えて、リフォーマーやキャデラックなど複数の器具のコースが含まれています。
受講料以外にかかる費用
資格取得では、受講料以外にも以下の費用が発生します。
(料金はコースや団体ごとに異なりますが、おおよその目安です)
受講料が含まれない場合や、不合格の再試験の際には別途必要です。
② 教材費:1万〜3万円
テキスト代や指定書籍(解剖学本等)、動画教材の費用です。
③ 登録・入会料:1万〜5万円
スクール入会金や合格後の指導者登録費用です。
④ 実習・練習費:4万〜20万円
課題(自己練習・見学・指導練習)に必要なスタジオ利用料やレッスン受講代です。
⑤ 維持・更新費:1万〜5万円(1〜2年ごと)
団体の年会費や、資格維持に必要な単位取得セミナー代です。
受講費で損をしないためのポイント
受講料の安さだけで選ぶと、練習スタジオ代や更新費などの隠れたコストで後から出費がかさむケースがあります。
- 提示額にテキスト・試験料が含まれているか
- 在学中にスタジオやマシンを無料(格安)で練習利用できるか
- 資格維持のために毎年どのくらいの維持費がかかるか
この3点を事前に確認し、総額で比較するのが失敗しないコツです。
通学する場合は、交通費や宿泊費も考慮しましょう。費用を比較するときは金額だけでなく、その料金で何をどこまで学べるのかを確認することが大切です。
ピラティス資格の取得にかかる時間
ピラティス資格の取得にかかる時間は、講座の受講時間だけでは決まりません。ここでは、受講時間・見学や指導実習・自己練習・試験までの期間という4つの視点から、必要な時間を整理します。
講座の受講時間
資格取得に必要な受講時間は、資格の種類や団体によって異なります。
たとえばBASIのコンプリヘンシブでは、FoundationとGraduateを合わせて12日間・72時間の講義と実技を受講します。一方、Balanced Bodyのリフォーマー資格の受講時間はリフォーマー1〜3を合わせて約48時間です。
見学・指導実習の時間
資格によっては、講座の受講だけでなく、実際のレッスンを見学したり、自分が指導したりする実習時間が設定されています。
たとえばBASIのコンプリヘンシブでは、見学100時間、指導実習200時間が必要です。
自己練習・実技練習の時間
インストラクターとして指導するには、自分自身がエクササイズを実践し、動きや身体の使い方を身につけることも必要です。
BASIのコンプリヘンシブでは、自己実践200時間が求められます。講義72時間と合わせると、資格取得に向けて多くの時間を自分の練習に充てる必要があります。
試験までに必要な期間
取得までの期間は、受講時間だけでなく、講座の開催スケジュールや実習・練習時間によっても変わります。
ピラティス資格は数日の受講で手軽に取れるものばかりではなく、自己練習や実習を含めると一定の期間が必要です。
働きながら取得する場合は、短期間で取れるかだけでなく、講座・自己練習・実習を無理なく続けられるスケジュールかを確認しましょう。
ピラティス資格を働きながら取得する方法

仕事を続けながらでも、ピラティス資格の取得は十分に可能です。ここでは、働きながら取得しやすい講座の形式と、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
土日・短期集中型の講座
ピラティス資格には、平日に仕事をしながらでも受講しやすいよう、土日や短期間に集中して開催される講座があります。
たとえばBASIのコンプリヘンシブは、ファンデーションとグラデュエイトの2つのモジュールに分かれ、それぞれ6日間の日程で受講します。まとまった日数の確保は必要ですが、休日を利用して受講することも可能です。
ただし講座以外にも自己実践・見学・指導実習が必要になるため、受講日以外に確保できる時間も確認しておきましょう。
オンラインで受講できる資格
団体によっては、講義の一部をオンラインで受講できるコースもあります。
オンラインに対応していれば、通学時間を減らして自宅で学習できるため、仕事と資格取得を両立しやすい点がメリットです。
ただし、ピラティスは実際に身体を動かし、人に指導する技術も学ぶため、オンラインだけでは完結できません。オンライン対応の可否だけでなく、対面での実技講習や実習がどの程度必要かも確認しましょう。
仕事と両立するなら受講時間以外も確認する
働きながら取得する場合は、講座の受講時間だけでなく、自己練習・見学・指導実習に必要な時間も確認することが大切です。
たとえばBASIのコンプリヘンシブでは、講義・実技72時間に加えて、自己実践200時間・見学100時間・指導実習200時間が必要です。
何日で取れるかだけでなく、毎週どの程度の時間を確保できるかを基準に選びましょう。
ピラティス資格は未経験でも取得できる?資格取得の難易度
ピラティス資格の難易度は、合格率のような数字では測りにくいのが実情です。ここでは「未経験から受講できるか」「何を学ぶ必要があるか」「どれだけの実習が求められるか」という視点で難易度をとらえます。
未経験から受講できる資格はある
ピラティス資格の中には、指導経験がない人でも受講できるコースがあります。
たとえばBASIのコンプリヘンシブコースは、指導経験がなくても受講可能と公式サイトに記載されています。
一方で、資格によっては受講前に一定の知識や経験を求められる場合もあります。未経験から取得を目指す場合は、受講条件を事前に確認しましょう。
また、未経験でも受講できることと、短期間で簡単に取得できることは別です。受講条件だけでなく、講座の内容や実習時間まで確認しておくと安心です。
解剖学や身体の動きを学ぶ必要がある
ピラティスの資格では、エクササイズの動きを覚えるだけでなく、身体の構造や動きに関する知識も学びます。
たとえば、STOTT PILATESのコンプリヘンシブでは、解剖学を30時間学ぶカリキュラムが設定されています。BASIでも人体の構造や機能、身体の動きなどを学びます。
そのため、運動経験がない人でも受講できる資格であっても、解剖学や身体の動きを理解するための学習が必要です。
特にインストラクターとして働く場合は、手順を覚えるだけでなく、身体の状態に合わせて適切に指導するための知識が求められます。
実技・指導練習の量にも注目する
ピラティス資格の難しさを考えるときは、試験そのものだけでなく、取得までにどの程度の実技・練習・指導経験が必要なのかにも注目しましょう。
たとえばBASIのコンプリヘンシブでは、自己実践200時間、見学100時間、指導実習200時間が設定されています。Balanced Bodyでも、資格の種類に応じてレッスン・見学・指導練習などの認定要件があります。
講座を受講するだけでなく、実際に身体を動かし、他のインストラクターの指導を見て、自分で指導を練習する時間が必要です。
難易度を合格率だけで判断するのは難しい
ピラティス資格は、団体によって試験内容や認定条件が異なり、すべての団体が合格率を公表しているわけではありません。そのため、合格率だけを比較して難易度を判断することは困難です。
また、合格率が同じでも、取得までに必要な講座・自己練習・見学・指導実習の時間が違えば、学習の負担も変わります。
資格選びでは、どれが一番簡単か(難しいか)ではなく、自分に必要な知識や指導スキルを学べるか、仕事や生活と両立しながら続けられるかを基準に選ぶことが大切です。
【目的別】自分に合うピラティス資格の選び方
ここまで見てきた種類・団体・費用・時間を踏まえ、目的別に選び方を整理します。自分がどのタイプに近いかを起点に、資格を絞り込んでみましょう。
目的① 未経験からインストラクターを目指す人
未経験からインストラクターを目指すなら、基礎から体系的に学べる資格を選びましょう。
受講条件に経験を問わない資格もありますが、学習内容や実習時間は資格によって異なります。未経験でも受講できるかだけでなく、インストラクターに必要な知識を基礎から学べるカリキュラムかを確認しましょう。
目的② 働きながら資格を取りたい人
仕事を続けながら取得する場合は、開催日程や受講形式を確認しましょう。
土日開催や短期集中型なら仕事と予定を合わせやすく、オンライン対応の講座なら通学の負担を減らせます。
ただし、講座以外に自己練習や見学、指導実習が必要な資格もあります。講座の日程だけでなく、受講以外に必要な時間まで含めて両立できるかを確認することがポイントです。
目的③ マシンピラティスのスタジオで働きたい人
マシンピラティスのスタジオで働きたいなら、リフォーマーなど、実際にスタジオで使われているマシンを学べる資格を選びましょう。
特にリフォーマーは、多くのマシンピラティススタジオで使われる代表的な器具です。
ただし、資格によって扱うマシンの種類や学習範囲は異なります。就職が目的なら、希望するスタジオの求人でどのような資格や経験が求められているかを確認してから選ぶのも一つの方法です。
目的④ 幅広い指導ができるインストラクターを目指す人
マットだけでなく、リフォーマーやキャデラック、チェアなど複数のマシンを使った指導まで身につけたい人には、コンプリヘンシブなどの総合的なコースが向いています。
マットと複数のマシンをまとめて学ぶため、単一の資格よりも学習範囲が広く、その分、受講料や学習時間も増える傾向があります。
将来的に幅広い生徒を指導したい人や、複数のマシンを扱うスタジオで働きたい人は、取得後にどこまで指導できる資格なのかを確認しましょう。
目的⑤ できるだけ費用を抑えたい人
費用を抑えたい場合は、本当に必要な資格・コースだけを選ぶことがポイントです。
たとえば、マット指導を中心に始めたいなら、最初から複数のマシンを含むコンプリヘンシブを取得する必要がない場合もあります。
一方で、将来的にマシン指導も行いたい場合は、後から追加で取得するより、最初から総合的に学んだほうが効率的なケースもあります。
単純に一番安い資格を選ぶのではなく、自分が何を指導したいのかを決めてから必要な資格を選びましょう。
ピラティス資格を比較するときに確認したい5つのポイント

資格を比較するときは、受講料だけで決めるのではなく、取得までに必要な時間や学習範囲、取得後のサポートまで確認しましょう。
次の5点を同じ基準で比べると、団体ごとの違いを同じ目線で比べられます。
1.資格取得に必要な総額を確認する
受講料だけでなく、認定試験料、教材費、登録料、更新費用などが別途必要かを確認しましょう。
実習や自己練習でスタジオを利用する場合は、その費用も考慮が必要です。受講料がいくらかではなく、取得までに総額いくらかかるのかを確認することがポイントです。
2.講座・実習の総時間を確認する
講座の受講時間だけでなく、自己練習・見学・指導実習を含めて、取得までに何時間必要なのかを確認しましょう。
講座が短期間でも、実習や練習に多くの時間が必要な資格もあります。働きながら取得する場合は、仕事と両立できる時間かも考えておきましょう。
3.マットかマシンかを確認する
将来どのような指導をしたいのかを考え、マットだけなのか、リフォーマーなどのマシンも学べるのかを確認しましょう。
マシンピラティスのスタジオで働きたい場合は、希望する求人で使われているマシンを学べる資格かも確認することが重要です。
4.未経験から受講できるかを確認する
資格によっては、受講前にピラティスの経験や解剖学などの知識が求められる場合があります。
未経験から始めるなら、受講条件に経験が必要か、初心者向けのカリキュラムが用意されているかを確認しましょう。
「未経験可」と書かれていても、必要な学習内容や実習時間は資格によって異なるため、カリキュラムまで確認しておくと安心です。
5.資格取得後のサポートを確認する
取得後に、就職支援や継続教育、資格更新制度などのサポートがあるかも確認しておきましょう。
インストラクターとして働くことが目的なら、求人紹介や就職サポートの有無、卒業後に学び続けられる講座があるかも比較の材料です。
まとめ
ピラティス資格は、マット・マシン・コンプリヘンシブという学ぶ範囲の違いに加え、団体によって費用や受講時間、カリキュラムも異なります。
資格を選ぶときは、受講料だけでなく、取得までの総額や必要な時間、学べる内容、未経験から受講できるか、取得後のサポートまで確認しましょう。
「どの資格が一番いいか」ではなく、「どのようなインストラクターになりたいか」から逆算して選ぶことが大切です。この記事を参考に、あなたに合ったピラティス資格を見つけ、インストラクターへの第一歩を踏み出しましょう。


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